旅の窓
暑さが厳しい。 エアコンも、ここ数日つけっぱなし。家にいることが多いため。 さっきちょっとだけ外出して、本屋さんに行ってきた。 頼まれごとがあって、買いに行ったのだが、ついでにと見て回っていた時、 ふと、1冊の本が目に留まった。 沢木耕太郎さんの『旅の窓』という本だ。 https://amzn.asia/d/atT465g 沢木耕太郎さんというと、『深夜特急』シリーズを思い出す。 子どものときに、1巻目を読み始めたところ面白く、最終巻まで買って読み切った思い出がある。 本を最後まで読むのが苦手な私が唯一最後まで読めた本だった。 『旅の窓』は、小説というよりも、写真集、エッセイのようなもので、見開き右に文章、左に写真といった具合である。 『深夜特急』のイメージが強かった私は、おそらく旅の途中に撮った写真が見れるのだろうと思って買ってみた。 沢木さんの様々な出会いが、写真と共に綴られていた。 旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある。 と冒頭で沢木さんは書いている。 自身は写真家ではないと言いながらも、そこに残されている写真には、メッセージ性を感じた。 最近、自分は今何がしたいのかが分からなくなってきている。 仕事もあり、生活もあり、それなりに生活はおくれているのだけれど、「これがしたい」といった目標や実現したいものがない。 資格を取りたいだとか、英語が話せるようになりたいだとかいう希望もない。 『旅の窓』の中で、何気ない一枚の写真からでも、沢木さんはいろいろなエピソードを語っている。 きっと普段の生活の中でも、様々なことを感じて、考えて生きているのだろうと思った。 ぼーっと見ているような風景でも、何かを感じ取ったり、気付いたりするだけでも、普段の生活は面白くなるのかもしれない。 忙しさなどを理由にせず、いつも見ている風景やいつもの生活の中からも、何かを感じ取ろうとする姿勢を持つことは大事なのだと、この本が気づかせてくれたように思う。 この本は、常に私のそばにおいて、何度も見返したいと、そう思った。